らーめんてーぶる

Lamentable(残念な、ひどい)な英語からの脱却を目指して、地味に奮闘中。NHKラジオ講座、TOEIC、ヒアリングマラソンの学習記録と感想のブログ

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カズオ・イシグロのノーベル賞晩餐会スピーチ

NHKラジオ『高校生からはじめる「現代英語」』より。

夏の特別企画として、カズオ・イシグロがノーベル賞授賞式後の晩餐会で行ったスピーチが取り上げられていた。

以下、解説がわかりやすくて勉強になった箇所のメモ。

 

難解文を解体すると

スピーチの中で、もっとも難解と感じたのは、この文の構造。

I am happy to receive the Novel Sho, as I instinctively called it when, minutes after receiving my astounding news I telephoned my mother, now 91 years old.

 

(私は「ノーベルショウ」を受け取って幸せです。そのように(つまり日本語の「ノーベルショウ」として)私は直感的にそれを呼びました。そのときは、私の驚くべきニュースを受け取った数分後で、私は電話をかけたのです、私の母(今では91歳)に。

 

NHKラジオ高校生からはじめる「現代英語」 2018年 08 月号

 

【語彙メモ】

  • instinctively [ɪnstɪ́ŋktɪvli]【副】:本能的に、無意識に
  • astounding [əstáʊndɪŋ]【形】:驚くべき、びっくりして呆然自失の

 

この難解文について、番組では次のように解説されていた。

この文の骨格だけ書き出すと、

I am happy to receive the Novel Sho, as I ... called it when ... I telephoned my mother

(私は「ノーベルショウ」を受け取って幸せです。そのように、私は...それを呼びました、...母に電話をかけたときに)

になります。

 

シンプルな文にしてみると、

I am happy to receive the "Nobel Sho."  I instinctively called it the "Nobel Sho."  That was when I telephoned my mother, minutes after receiving my astounding news.  She is now 91 years old.

となります。

 

NHKラジオ高校生からはじめる「現代英語」 2018年 08 月号

 

この解説のおかげで構造が整理できて、かなりすっきりした!

 

物語と理念

こちらも構造がやや複雑で、かつ内容的に非常に重要な一文。

Like literature, my own field, the Nobel Prize is an idea that, in times like these, helps us to think beyond our dividing walls, that reminds us of what we must struggle for together as human beings.

 

(文学と同じように、(それは)私自身の分野(ですが)、ノーベル賞はこのような時代において、私たちを分断する壁を越えて考えることを助けてくれる理念です。私たちが人類として一緒に奮闘して求めなければならないことを思い起こさせる(理念です)。)

 

NHKラジオ高校生からはじめる「現代英語」 2018年 08 月号

 

【語彙メモ】

  • struggle for:~を求めて奮闘する

 

ここで述べられている内容は、下記に引用する受賞理由とも呼応していて、短いスピーチの中に、物語のような世界観と、通底する理念が盛り込まれているところがすごいと思った。

 

文学的受賞理由

ノーベル文学賞の選考委員会が発表したカズオ・イシグロの受賞理由は、

...who, in novels of great emotional force, has uncovered the abyss beneath our illusory sense of connection with the world.

 

(彼は、小説が持つ強大な感情の力を使い、底知れぬ闇を隠していたものを持ち上げてみせた。私たちが世界とつながっていると感じるのは実際は錯覚であり、その下には、この闇が隠れていたのだ。)

 

NHKラジオ高校生からはじめる「現代英語」 2018年 08 月号

 

【語彙メモ】

  • abyss [əbís]【名】:底知れぬ深い穴、奈落の底
  • beneath [biníːθ]【前】:~の真下に
  • illusory [ilúːsəri]【形】:幻影の、偽物だが本物のように見える

 

。。と、この受賞理由自体が非常に文学的。さすがノーベル文学賞。

(それなのに、スエーデン・アカデミーの不祥事で今年のノーベル文学賞発表が見送りになったのは、すごく残念。。参考:ノーベル文学賞、今年の発表見送り 委員家族の性的暴行疑惑で - BBCニュース

 

番組サイトとテキスト

番組公式サイト

※再放送日・ストリーミングの詳細情報あり

 

番組テキスト

※カズオ・イシグロのスピーチ全文と解説が掲載されている。

NHKラジオ高校生からはじめる「現代英語」 2018年 08 月号 [雑誌]

NHKラジオ高校生からはじめる「現代英語」 2018年 08 月号 [雑誌]

  • 出版社/メーカー: NHK出版
  • 発売日: 2018/07/14
  • メディア: 雑誌
 

 

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